✓ 100Wh・160Whの境界線と個数制限を完全理解
✓ 2025年7月8日以降の国内主要社運用変更を詳細解説
✓ mAh→Wh換算ツールで即座に持ち込み可否を判定
まず結論|容量別持ち込み制限
- 個数制限なしで持込可
- 預け入れは全面禁止
- 約27,000mAh相当
- 2個まで持込可
- 預け入れは全面禁止
- 約27,000-43,200mAh相当
- 持ち込み不可
- 預け入れも不可
- 輸送不可
2025年7月8日以降の重要な運用変更
国内主要航空会社(JAL・ANA等)では、モバイルバッテリーの座席上収納棚への収納を禁止し、充電は目視可能な場所でのみ許可されています。機内発火事故の予防措置として実施されています。
mAh→Wh換算ツール|即時判定
計算式と注意点
計算式:Wh = mAh × V(電圧)÷ 1000
よくある間違い:mAhとAhの混同、5V(USB出力電圧)の誤用。リチウムイオン電池の標準電圧は3.7Vです。
国内主要航空会社ルール比較表(2025年7月時点)
※表示は2025年9月26日時点の情報です。搭乗前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
国際線|IATA基準と主要キャリア
IATA DGR第66版(2025年1月1日施行)基本枠
- リチウムイオン電池:100Wh以下は無制限、100-160Whは2個まで、160Wh超は禁止
- 充電率30%以下推奨(2026年1月から2.7Wh超は必須)
- 短絡防止対策必須(端子保護・個別梱包)
航空会社 | 基本ルール | 特記事項 | 事前申告 |
---|---|---|---|
United Airlines | IATA準拠 | 100Wh超は要事前申告 | 必要 |
Emirates | IATA準拠 | 端子保護厳格チェック | 推奨 |
Lufthansa | IATA準拠 | EU規制準拠で厳格 | 必要 |
注意 中国本土・一部LCCの厳格運用
中国国内線や一部LCCでは、機内使用を完全禁止する場合があります。乗継時は最も厳しい基準に従う必要があります。
ケース別フローチャート|用途別推奨容量
A 国内1泊出張
用途:PC + スマホ2台
推奨容量:20,000-30,000mAh(74-111Wh)
個数:1個で十分
おすすめ:Anker PowerCore 26800
B 海外5日撮影旅行
用途:ミラーレス + 予備バッテリー
推奨容量:40,000mAh相当(148Wh)
個数:2個に分散推奨
おすすめ:20,000mAh × 2個
C 家族旅行
用途:タブレット×2 + スマホ×4
推奨容量:50,000mAh相当(185Wh)
個数:複数人で分散携行
おすすめ:25,000mAh × 2個
容量別おすすめ製品|旅行特化3選
100Wh未満(制限なし)
Jackery Explorer 100 Plus
- 実測:99Wh / 965g
- AC×1、USB-C×2、USB-A×1
- 充電時間:約2時間
- 飛行機適合性:完全対応

120Wh帯(2個まで)
Anker PowerHouse 120
- 実測:120Wh / 1.2kg
- AC×1、USB-C×2(PD60W)
- 充電時間:約3時間
- 飛行機適合性:2個まで要注意
150Wh帯(2個まで)
EcoFlow RIVER 2
- 実測:256Wh / 3.5kg
- AC×2、USB-C×1(PD60W)
- 充電時間:約1時間
- 飛行機適合性:160Wh超のため不可
主要3軸比較
項目 | 携行性 | 多端子給電 | 充電スピード |
---|---|---|---|
Jackery 100 Plus | ◎ 965g | ○ 4ポート | ○ 2時間 |
Anker PowerHouse | ○ 1.2kg | ◎ PD60W×2 | ○ 3時間 |
EcoFlow RIVER 2 | × 3.5kg | ◎ AC×2 | ◎ 1時間 |
よくある質問|FAQ
リチウムイオン電池は気圧変化や衝撃により発火・爆発のリスクがあるためです。客室内であれば即座に対応可能ですが、貨物室では対処できません。
根拠:IATA DGR第66版、国土交通省航空局通達
現場Tip:手荷物検査時には「機内持ち込み専用」と明確に伝える
大容量バッテリーによる発火時の被害拡大を防ぐためです。100Wh超は「危険物」扱いとなり、個数制限で総エネルギー量を抑制しています。
根拠:IATA危険物規則2.3.2.6項
現場Tip:事前申告時は容量証明書類を用意
公式仕様書・取扱説明書でWhや電圧を確認。不明な場合は「mAh × 3.7V ÷ 1000」で概算計算し、余裕を持って判断してください。
根拠:メーカー公式資料優先
現場Tip:メーカーサポートに問い合わせて書面回答を取得
いいえ、同じリチウムイオン電池として扱われます。全てのバッテリーを合算して100Wh基準・個数制限が適用されます。
根拠:IATA DGR予備電池規定
現場Tip:端子保護テープは必須、機器から取り外して携行
最も厳しい基準に従ってください。特に中国・EU・米国は独自規制があり、IATA基準より厳格な場合があります。
根拠:各国航空当局規則
現場Tip:全区間の航空会社・経由国ルールを事前確認
容量表示が見える状態で提示し、「100Wh以下のモバイルバッテリー」「機内持ち込み専用」と明確に説明してください。
根拠:保安検査要領
現場Tip:Wh換算メモを用意、英語表記も準備
即座に充電停止、機器電源OFF、客室乗務員に通報。絶対に水をかけず、専用消火剤による対応を待ってください。
根拠:航空機火災対応マニュアル
現場Tip:発火前兆(異臭・発熱)の段階で早期通報
家電量販店・Amazonローカル配送・レンタルサービス等を活用。帰国時は現地廃棄または郵送で対応してください。
根拠:現地法規制に準拠
現場Tip:出発前に現地調達先・価格帯を調査
まとめ
• ポータブル電源の飛行機持ち込みは100Wh/160Whが重要な境界線。預け入れは容量問わず全面禁止です。
• 2025年7月8日以降、座席上収納棚への収納禁止・目視下での充電が国内主要社で義務化されています。
• 搭乗前には利用航空会社の公式サイトで最新ルールを必ず確認し、安全な空の旅をお楽しみください。