ポータブル電源

家族4人・72時間に必要な容量の計算ガイド

家族4人で72時間の停電に備える容量は、使いたい機器のメーカー公表値をWhにそろえて足し上げます。旧記事に含まれていた出典不明の消費電力、効率係数、発電量レンジ、グラフは使わず、公表値と計算式だけで必要容量の考え方を整理します。

この記事の計算は、ポータブル電源で機器が動くことを保証するものではありません。電子レンジ、電気ケトルなどの高負荷機器は、容量(Wh)ではなく定格出力(W)の条件が先に問題になります。接続可否は、機器側とポータブル電源側のメーカー公表仕様・取扱説明書で必ず確認してください。

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確認方針: 数値は2026年7月10日にメーカー日本向け公式ページまたは公的資料で確認できたものだけを使います。メーカーが変換効率を公表していない場合は、効率値を仮置きせず「実際は表示容量より少なくなる」と扱います。

この記事でわかること

内閣府の防災基本計画では、発災当初の72時間は救命・救助活動で極めて重要な時間帯とされています。家庭のポータブル電源計画では、この72時間を「スマートフォン、通信機器、照明、冷蔵庫など、何を何時間使うか」に分解して容量を見積もります。

容量はWhで足す

機器ごとの消費電力(W)に使用時間(h)を掛けると、必要な電力量(Wh)になります。

出力Wは別に見る

高負荷機器は、必要Whが小さく見えても、瞬間的に大きなWを必要とする場合があります。

効率は勝手に置かない

変換効率が公式に公表されていない場合、数値補正せず、表示容量より少なくなる前提で余裕を見ます。

機種選びの全体像はポータブル電源の選び方、現行機種の容量・出力比較はポータブル電源おすすめ比較も参照してください。

必要容量の基本式と単位(W/Wh/kWh, Ah換算)

容量計算では、W、Wh、kWhを分けます。Wは機器がその瞬間に必要とする電力、Whは一定時間使ったときの電力量、kWhは1,000Whです。ポータブル電源の容量表示はWhが多いため、家電側もWhへそろえます。必要Whを用途別に組み立てる手順はポータブル電源の必要容量計算ガイドでも確認できます。

基本式

必要電力量(Wh) = 消費電力(W) × 使用時間(h) × 台数

72時間 = 24時間 × 3日

1kWh = 1,000Wh

スマートフォンのようにmAhで容量が示される機器は、Whへ換算して扱います。東京消防庁の資料ではリチウムイオン電池の電圧として約3.7Vが示されているため、この記事ではスマートフォン電池の概算Whに3.7Vを使います。端末容量から充電回数を求める手順はポータブル電源でスマホは何回充電できる?で整理しています。

スマートフォンの換算例

5,000mAh × 3.7V ÷ 1,000 = 18.5Wh

18.5Wh × 4台 × 1回/日 × 3日 = 222Wh

18.5Wh × 4台 × 2回/日 × 3日 = 444Wh

注: 上記はSamsung Galaxy A36 5Gの公式公表値「5,000mAh」を例にした計算です。充電ロスや使用中の消費は含めていません。

家電別モデルケース(冷蔵庫・照明・通信・調理)

下表は、メーカー公式または公的資料で確認できる消費電力・消費電力量を使った計算例です。家庭ごとの機種、設定、周囲温度、回線状況で結果は変わるため、所有機の仕様で同じ式に入れ替えてください。冷蔵庫の年間消費電力量を日単位へ換算する手順は停電時に冷蔵庫をポータブル電源で動かす容量計算ガイドで確認できます。

公表値から計算する72時間の必要電力量例
機器例 公表値 使う条件 計算式 72時間の必要Wh
冷蔵庫 Panasonic比較表の年間消費電力量例: 281kWh/年 年間値を365日で割る 281,000Wh ÷ 365日 × 3日 約2,310Wh
LED電球 Panasonic LED電球60形相当: 7.4W 3灯を1日8時間、3日間 7.4W × 3灯 × 8h × 3日 約533Wh
Wi-Fiルーター BUFFALO WSR-5400XE6: 16.2W(最大) 24時間×3日 16.2W × 24h × 3日 約1,166Wh
スマートフォン充電 Galaxy A36 5G: 5,000mAh(標準) → 約18.5Wh 4台を1日1回、3日間 18.5Wh × 4台 × 1回 × 3日 約222Wh
電気ケトル タイガー PCS-A080: 定格消費電力1,300W、満水沸とう約4分 満水相当を1日1回、3日間 1,300W × (4分 ÷ 60分) × 3回 約260Wh
電子レンジ Panasonic NE-FS3D: レンジ消費電力1,400W 3分を1日1回、3日間 1,400W × (3分 ÷ 60分) × 3回 約210Wh

注: 上表は機器側に必要な電力量の計算です。ポータブル電源の表示容量から取り出せる電力量は、変換方式、残量、温度、接続方法で変わり、実際は表示容量より少なくなります。Wi-FiルーターとLED照明を組み合わせた計算は停電時にWi-Fiルーターと照明を何時間動かせるかの計算ガイドで確認できます。

容量と定格出力の違い(高負荷機器の注意)

電子レンジや電気ケトルは、短時間だけ使うなら必要Whは小さく見えます。しかし、接続可否は容量(Wh)ではなく、ポータブル電源の定格出力(W)と機器の消費電力(W)の比較で決まります。ポータブル電源の定格出力を超える機器は接続しないでください。

高負荷機器で必ず分けて確認すること
確認項目 見る数値 判断
容量 Wh 何分・何回使うと何Wh必要かを計算します。
定格出力 W 機器の消費電力Wを上回る必要があります。上回らない場合は接続しません。
瞬間最大出力 W、時間条件 短時間だけ許容される値の場合があります。連続使用の判断には定格出力を優先します。
取扱説明書の禁止事項 使用できない機器、延長コード、アース、設置条件 機器側とポータブル電源側の両方を確認します。

過負荷への注意: NITEは、接続する電気製品の消費電力を確認し、接続可能な消費電力を超えないよう注意すると案内しています。配線器具が劣化する原因になり、発火などの事故が起きやすくなるためです。

電池種別と寿命の考え方は、リン酸鉄リチウムと三元系の違いで確認できます。

容量計算の3パターン

次の3パターンは、上の公表値を組み合わせた計算例です。変換効率の数値は入れていないため、ポータブル電源の表示容量で見ると上限寄りです。実際の製品選定では、ここで出した必要Whより余裕を持たせます。

72時間の容量計算例
パターン 含める機器 計算式 必要Wh
通信・照明中心 LED 3灯、Wi-Fiルーター、スマホ4台1日1回 533Wh + 1,166Wh + 222Wh 約1,921Wh
冷蔵庫も含める 通信・照明中心 + 冷蔵庫 1,921Wh + 2,310Wh 約4,231Wh
高負荷機器を短時間だけ計算に入れる 冷蔵庫も含める + 電気ケトル + 電子レンジ 4,231Wh + 260Wh + 210Wh 約4,701Wh

注: Wi-Fiルーターは停電時に回線側設備も使えるとは限りません。ここでは機器側の電力量だけを計算しています。

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容量と定格出力を公式仕様で確認したい方向け

72時間の備えでは、表示容量だけでなく、AC定格出力、ソーラー入力、充電時間、対応機器の条件を公式ページで確認することが重要です。

容量 定格出力 ソーラー入力 防災

最新価格は公式サイトで確認 仕様確認向け

確認ポイント 容量と定格出力を両方確認

価格と仕様を確認

家族4人×72時間の目安容量

上の計算例から、通信・照明中心なら約1.9kWh、冷蔵庫まで含めるなら約4.2kWh、高負荷機器の短時間利用を計算に入れるなら約4.7kWhが、機器側に必要な電力量の目安になります。ただし、これは変換効率を数値で引いていないため、ポータブル電源の表示容量を選ぶときは余裕を見ます。

容量目安の読み方
必要電力量 主な内容 製品選定時の注意
約1.9kWh 通信、照明、スマホ充電中心 USB給電中心ならAC変換を避けやすい一方、回線側停電に注意します。
約4.2kWh 通信、照明、スマホ充電、冷蔵庫 冷蔵庫は年間消費電力量からの平均計算であり、個別の動作を保証しません。
約4.7kWh以上 上記に短時間の電気ケトル・電子レンジを加える計算 容量より先に定格出力Wを確認します。条件を満たさない機器は接続しません。

実際に購入候補を絞るときは、表示容量Whだけでなく、AC定格出力、出力ポート数、充電時間、保管方法、保証、回収サービスを確認します。メーカー公式ページで容量・定格出力・注意事項を見たうえで、家庭の優先機器に合わせて選んでください。

使用前に確認する注意点

  1. 機器側の消費電力を確認する: 電子レンジ、電気ケトル、炊飯器、暖房器具などは消費電力が大きくなりやすいため、必ず製品ラベル、仕様表、取扱説明書で確認します。
  2. ポータブル電源側の定格出力を確認する: AC定格出力、瞬間最大出力、出力時間、使用できない機器の注意書きを読みます。定格出力を超える機器は接続しません。
  3. 容量計算と接続可否を分ける: 「3分で約70Wh」のような容量計算は、接続できるという意味ではありません。容量Whと定格出力Wは別の判断です。
  4. 異常時は使用を止める: 発熱、変形、異臭、煙、水濡れ、落下後の異常がある場合は、使用を中止してメーカー窓口に相談してください。

消費者庁も、ポータブル電源について、強い衝撃後に発熱や変形などの異常を感じた場合は使用を中止し、製造・輸入・販売事業者の修理窓口へ相談するよう案内しています。

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容量帯と拡張性を公式仕様で確認したい方向け

家族4人の72時間備蓄では、必要Whの計算に加えて、AC定格出力、拡張バッテリー、保管条件、保証内容を公式ページで確認してください。

比較軸

容量

確認項目

AC定格出力

用途

家庭備蓄

購入前

取扱説明書を確認

最新価格は公式サイトで確認 大容量比較向け

確認ポイント 容量帯と出力条件を確認

価格と仕様を確認

まとめ

家族4人・72時間の容量計算は、使う機器を決め、消費電力Wと使用時間hを掛け、Whで合計します。今回の公表値例では、通信・照明・スマホ充電中心で約1.9kWh、冷蔵庫まで含めると約4.2kWh、高負荷機器の短時間利用を計算に加えると約4.7kWhです。

ただし、メーカーが変換効率を公表していない限り、表示容量から使えるWhを数値で断定しません。実際は表示容量より少なくなるため、候補機の公式仕様と取扱説明書で、容量、定格出力、使用できない機器、保管条件を確認してください。

購入前の順番: 先に必要Whを計算し、次に高負荷機器の定格出力条件を確認し、最後に候補機の公式仕様で容量、定格出力、保証、保管条件を照合します。

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