屋外でドローン用バッテリーを充電するポータブル電源は、独自の充電記録や順位ではなく、飛行バッテリーのエネルギーWh、充電器の定格電力W、ポータブル電源の容量Wh・出力W、対応する充電経路をそろえて選びます。
本記事では、2026年7月24日にDJI日本公式サイトとDJI公式ストアで確認できたMavic 3シリーズ、Air 3、DJI Power 500、DJI Power 1000 V2、DJI Power 2000の公表値を使います。価格、在庫、対応製品、ファームウェア、仕様は変わるため、購入前に公式ページの最新表示を確認してください。
確認方針: 本文の充電回数は、公表容量を飛行バッテリーの公表Whで割った理論値です。変換損失、充電制御、温度、ポータブル電源の残量を含まないため、実際に満充電できる回数を保証する数値ではありません。
結論 飛行バッテリーのWhと充電経路から選ぶ
最初に決めるのはポータブル電源の機種ではなく、撮影日に何個の飛行バッテリーを何回分補充したいかです。飛行バッテリー1個のエネルギーWhに補充回数を掛ければ、少なくとも必要になる理論電力量を計算できます。その後に、充電器または専用ケーブルが求める出力とポータブル電源の対応端子を照合します。
必要Wh
飛行バッテリーの公表Whと補充したい個数から、撮影日に必要な理論電力量を出します。
充電経路
純正充電器を使うAC、対応機器を使うUSB-C、DJI Power専用のSDCを分けて確認します。
携帯性
容量だけでなく重量を確認します。撮影地点まで運ぶ方法に合わせて容量帯を絞ります。
他メーカーを含む総合比較はポータブル電源おすすめ比較、端子・出力・容量から選ぶ手順はポータブル電源の選び方に分けています。防災兼用で家庭全体の容量も考える場合は家族4人・72時間の容量計算を参照してください。
必要容量を飛行バッテリーの公表Whから計算する
DJIの公式仕様では、Mavic 3シリーズのインテリジェント フライトバッテリーは77Wh、Air 3のインテリジェント フライトバッテリーは62.6Whです。mAhだけで比べず、ポータブル電源と同じWhにそろえると必要容量を計算できます。
基本式
理論必要電力量(Wh) = 飛行バッテリー1個のエネルギー(Wh) × 補充する個数
理論充電回数 = ポータブル電源の容量(Wh) ÷ 飛行バッテリー1個のエネルギー(Wh)
容量使用率(%) = 理論必要電力量(Wh) ÷ ポータブル電源の容量(Wh) × 100
※ 表は横にスクロールできます
| 対象 | 1個 | 3個 | 5個 | 計算 |
|---|---|---|---|---|
| Mavic 3シリーズ | 77Wh | 231Wh | 385Wh | 77Wh × 個数 |
| Air 3 | 62.6Wh | 187.8Wh | 313Wh | 62.6Wh × 個数 |
たとえばMavic 3シリーズを5個分補充する理論必要量は385Whです。512Whのポータブル電源に対する割合は、385Wh ÷ 512Wh × 100 = 約75%です。ただし、飛行バッテリーへ移す過程の変換損失や充電制御があるため、512Whの本体で5個を必ず満充電できるという意味ではありません。
| 公表容量 | Mavic 3シリーズ 77Wh | Air 3 62.6Wh | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 512Wh | 約6.6回 | 約8.2回 | 損失を含まない上限比較です。 |
| 1024Wh | 約13.3回 | 約16.4回 | 送信機や撮影機材の消費分は別です。 |
| 2048Wh | 約26.6回 | 約32.7回 | 複数機体や周辺機器を含める場合に再計算します。 |
AC・USB-C・SDCの違いを確認する
容量が足りても、充電器やケーブルに対応する出力がなければ予定した方法では充電できません。使用する飛行バッテリー、充電ハブ、電源アダプター、専用ケーブルを型番単位で確認します。
| 充電経路 | 公式に確認する項目 | 公表例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| AC出力 | 純正充電器・充電ハブの定格電力、ポータブル電源のAC定格出力。 | Mavic 3の充電ハブは65Wまたは100W、Air 3は65W充電器または100Wアダプターの仕様があります。 | 充電ハブは複数電池を同時ではなく順番に充電する仕様か確認します。 |
| USB-C出力 | 必要なUSB PD規格、最大W、ケーブル要件。 | DJI Power 500は各USB-C最大100W、DJI Power 1000 V2は各最大140Wです。 | ポートの最大Wだけでなく、充電側機器とケーブルの対応が必要です。 |
| DJI Power SDC | ポータブル電源、飛行バッテリー、専用急速充電ケーブルの互換性。 | Mavic 3用ケーブルは150Wで0%から100%まで約58分、Air 3用ケーブルは125Wで約44分です。 | 専用ケーブルは別売です。対象製品と最新ファームウェアの条件を確認します。 |
Mavic 3シリーズの100W充電ハブと100W USB-C電源アダプターを使う公式例は、0%から100%まで約70分です。Air 3は、65W充電器で約80分、100W電源アダプターと充電ハブで約60分と案内されています。時間の比較では、開始残量、終了残量、使用した充電器、温度条件を同じにします。
互換性の確認: 同じDJI Powerシリーズでも、SDCとSDC Liteの構成や対応アクセサリーは機種ごとに異なります。「USB-Cがある」「出力Wが大きい」だけで判断せず、飛行バッテリーと充電器を含む組み合わせを公式互換性一覧で確認してください。
現行DJI Power 3機種を公表値で比べる
下表は、2026年7月24日にDJI日本公式ストアで販売表示を確認できた3機種です。メーカー希望小売価格または公式通常表示価格を基準にし、容量単価はその価格を容量Whで割って計算しています。セール価格、クーポン、在庫は変動するため固定しません。
※ 表は横にスクロールできます
| 機種 | 通常価格・容量単価 | 容量・出力 | 重量 | ドローン用途での見方 |
|---|---|---|---|---|
| DJI Power 500 | 58,300円、約114円/Wh | 512Wh、最大連続出力1000W、USB-C各最大100W。 | 約7.3kg | 徒歩区間を含む移動で重量を抑え、1機種の飛行バッテリーを補充する計画に合わせて確認します。 |
| DJI Power 1000 V2 | 143,000円、約140円/Wh | 1024Wh、最大連続出力2600W、USB-C各最大140W。 | 約14.2kg | 512Wh級より補充回数を増やし、送信機、ノートPC、カメラも同じ電源で扱う場合に総必要Whを計算します。 |
| DJI Power 2000 | 255,200円、約125円/Wh | 2048Wh、連続出力2700W、SDCポート2基。 | 約22kg | 複数機体や長時間の撮影で容量を優先する場合に確認します。搬入方法と設置場所も先に決めます。 |
注: 容量単価は58,300円 ÷ 512Wh、143,000円 ÷ 1024Wh、255,200円 ÷ 2048Whを小数点以下で四捨五入しました。販売価格はセール等で変わるため、購入時に公式ストアで再確認してください。
ドローン充電では、3機種ともAC充電器を動かすだけの出力があります。したがって、出力Wの大小だけで順位を付けるのではなく、必要Wh、重量、使う充電経路、SDCポート数、周辺機器の消費分を比べます。
撮影計画から容量帯を絞る
容量帯は「ドローン向け」という名称ではなく、撮影日の電力収支で絞ります。飛行バッテリーだけでなく、送信機、スマートフォン、タブレット、ノートPC、カメラ、照明を同じ電源から充電する場合は、それぞれの公表消費電力またはバッテリーWhを足します。
512Wh級を確認する計画
- 飛行バッテリーの補充個数を先に決める。
- 撮影地点までの運搬で重量を優先する。
- 送信機やスマートフォンの充電分を別に加える。
- 計算上の容量使用率が高い場合は、変換損失を含まない点を踏まえて上位容量も比較する。
1024Wh以上を確認する計画
- 複数機体や多くの飛行バッテリーを扱う。
- ノートPC、カメラ、照明なども同じ電源から使う。
- 撮影日数ごとに必要Whを合計する。
- 容量増加に伴う重量と搬入方法を確認する。
複数機器を含める式
撮影日の理論必要量(Wh) = 飛行バッテリー補充分 + 送信機補充分 + 撮影機材補充分
機器の必要量(Wh) = 消費電力(W) × 使用時間(h)
予備容量を一律の割合で固定すると、機材構成の違いを反映できません。撮影中に必ず残したい機器、現地で再充電しない機器、翌日まで使う機器を分け、必要Whを項目ごとに積み上げます。
温度と充電順序は公式仕様に戻す
低温時の容量低下率や車内保管の限界を独自の割合・温度で決めません。飛行バッテリーとポータブル電源では充電可能な温度範囲が異なるため、両方の仕様を確認します。
| 対象 | 公表値・案内 | 確認方法 |
|---|---|---|
| Mavic 3シリーズ飛行バッテリー | 充電温度5℃〜40℃。 | 機体・電池・充電器の取扱説明書を購入前と使用前に確認します。 |
| Air 3飛行バッテリー | 充電温度5℃〜40℃。 | 使用するAir 3シリーズの型番と最新マニュアルを確認します。 |
| DJI Power 500・2000 | 充電温度0℃〜45℃。 | 飛行バッテリー側と範囲が同じとは考えず、狭い側の条件を確認します。 |
| 飛行直後の充電 | DJIはMavic 3用SDCケーブルの案内で、電池温度が40℃以下に下がってから充電するよう推奨しています。 | 画面表示と公式マニュアルに従い、充電できない状態を故障と決めつけません。 |
本文で断定しないこと: 特定の外気温で何%容量が減るか、車内でどの置き方なら問題ないか、何分冷ませば充電できるかは固定しません。使用する機体、飛行バッテリー、充電器、ポータブル電源の最新取扱説明書を優先してください。
購入前の確認リスト
撮影計画
- 飛行バッテリーの型番と1個あたりのWhを確認する。
- 現地で補充したい個数を掛けて理論必要Whを出す。
- 送信機、スマートフォン、PC、カメラの必要Whを加える。
- 移動距離と搬入方法に対して本体重量を確認する。
製品・充電経路
- AC、USB-C、SDCのどれを使うか決める。
- 充電器、充電ハブ、専用ケーブルの最大Wと互換性を確認する。
- 充電温度、充電順序、最新ファームウェアの条件を確認する。
- 通常価格、セール、在庫、保証条件を公式ストアで再確認する。
旧機種の在庫処分品や中古品を見る場合は、現行品と同じ名称・仕様だと考えず、型番、保証、バッテリー状態、対応アクセサリーを確認します。本記事の比較表は、確認日時点でDJI日本公式ストアに販売表示がある機種だけを対象にしています。
よくある質問
512WhならMavic 3のバッテリーを6回満充電できますか?
512Wh ÷ 77Wh = 約6.6回は損失を含まない理論値です。ACやDCの変換損失、充電制御、ポータブル電源の残量があるため、実際の満充電回数として保証できません。
出力が大きい機種ほどドローンの充電が速くなりますか?
ポータブル電源側の出力だけでは決まりません。飛行バッテリー、充電ハブ、電源アダプター、専用ケーブルが受けられるWが上限になります。充電経路ごとの公式時間を確認してください。
DJI Power以外でもドローンを充電できますか?
純正AC充電器や対応USB-C機器を使う場合は、必要な定格出力、規格、端子を満たす製品が候補になります。DJI PowerのSDC専用急速充電は、対応するDJI Power本体と専用ケーブルの互換性確認が必要です。
飛行直後に充電できないのは故障ですか?
故障とは断定できません。DJIは、飛行後に電池温度が充電可能範囲を超え、すぐ充電できない場合があると案内しています。画面表示と取扱説明書を確認し、異常が疑われる場合はDJIサポートへ相談してください。
セール価格で容量単価を計算してよいですか?
購入時点の比較では、実際の購入価格を容量Whで割って再計算できます。本記事は変動を避けるため通常表示価格を使っています。コンボは付属品が異なるため、本体単品と分けて比べてください。
参考文献
以下は本文中で根拠として使用したDJI日本公式ページです。確認日は2026年7月24日です。