ポータブル電源の容量は、使いたい機器の公表値をWhにそろえて足し上げると見積もれます。旧記事に含まれていた出典不明の充電回数、効率係数、残量グラフ、独自スコアは使わず、メーカー公表値と計算式だけで整理します。
この記事では、スマートフォン、Wi-Fiルーター、LED照明を例に、mAhからWhへの換算、WからWhへの換算、容量別の計算例を示します。メーカーが変換効率を公表していない場合は、効率値を仮置きせず「実際は表示容量より少なくなる」と扱います。
確認方針: 数値は2026年7月10日にメーカー日本向け公式ページまたは公的資料で確認できたものだけを使います。掲載機種は、メーカー日本公式ページで販売ページまたは製品ページを確認できた現行モデルを例にしています。
結論 必要容量はWhで足し上げる
容量計算は、スマートフォンの充電、通信機器、照明などをすべてWhにそろえて合計します。スマートフォンは「mAh × 電圧 ÷ 1,000」、家電や照明は「消費電力W × 使用時間h」でWhにします。
スマホ
公式のmAh表記をWhへ換算します。この記事ではGoogle Pixel 10の標準4,970mAhを例にします。
通信・照明
Wi-FiルーターやLED電球は、公表消費電力Wに使用時間を掛けます。
余裕
変換ロスや待機電力で、実際は表示容量より少なくなります。効率値を出典なしに固定しません。
機種選び全体の流れはポータブル電源の選び方、家族全体の72時間計算は家族4人・72時間の容量計算も参照してください。
容量計算の基本式
ポータブル電源の容量はWh、スマートフォンの電池容量はmAh、家電の消費電力はWで示されることが多いため、単位をそろえてから合計します。
基本式
スマホ1回分(Wh) = 電池容量(mAh) × 3.7V ÷ 1,000
機器の必要電力量(Wh) = 消費電力(W) × 使用時間(h) × 台数
必要容量(Wh) = スマホ充電Wh + 通信機器Wh + 照明Wh + その他の機器Wh
東京消防庁の資料では、リチウムイオン電池の電圧として約3.7Vが示されています。この記事では、スマートフォン電池の概算Whを同じ条件で比べるために3.7Vを使います。
効率の扱い: 旧記事のように特定の効率値を固定すると、根拠のない数値になります。メーカー公式に変換効率が示されていない場合は数値補正せず、計算結果は上限寄りとして見ます。
計算に使う公表値
下表は、本文の計算で使う公式公表値です。所有しているスマートフォン、ルーター、照明が違う場合は、同じ式に自宅の機器の公表値を入れてください。
| 機器例 | 公式公表値 | 計算での扱い |
|---|---|---|
| Google Pixel 10 | 標準4,970mAh | 4,970mAh × 3.7V ÷ 1,000 = 約18.4Wh |
| BUFFALO WSR-5400XE6 | 消費電力16.2W(最大) | Wi-Fiルーター1台の消費電力として使います。 |
| Panasonic LED電球 LDA7L-D-G/S/Z6/F | 定格消費電力7.4W | LED電球1灯の消費電力として使います。 |
| 機種例 | 公表容量 | 現行確認 |
|---|---|---|
| Anker Solix C300 Portable Power Station | 288Wh | Anker Japan公式商品ページで2026年7月10日に確認。 |
| EcoFlow RIVER 2 Max | 512Wh | EcoFlow Japan公式商品ページで2026年7月10日に確認。 |
| Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station | 1024Wh | Anker Japan公式商品ページで2026年7月10日に確認。 |
スマホ充電回数の計算
Google Pixel 10の標準4,970mAhを例にすると、スマホ1回分は約18.4Whです。ポータブル電源の公表容量を18.4Whで割ると、ロスを含めない理論上の回数が出ます。
| ポータブル電源例 | 計算式 | 理論上の回数 |
|---|---|---|
| 288Wh | 288Wh ÷ 18.4Wh | 約15.7回分 |
| 512Wh | 512Wh ÷ 18.4Wh | 約27.8回分 |
| 1024Wh | 1024Wh ÷ 18.4Wh | 約55.7回分 |
注: 上表はスマートフォン電池側のWhで割った理論値です。USB出力、ケーブル、スマホ側の充電制御、待機電力により、実際の回数は少なくなります。
停電・キャンプの容量計算例
次の例は、スマホ、Wi-Fiルーター、LED照明を組み合わせた計算です。変換効率を数値化していないため、ポータブル電源の表示容量を選ぶときは余裕を見ます。
| 想定 | 含める機器 | 計算式 | 必要Wh |
|---|---|---|---|
| 停電12時間 | スマホ4台を各1回、Wi-Fiルーター12時間、LED電球2灯を8時間 | 18.4Wh × 4 + 16.2W × 12h + 7.4W × 2灯 × 8h | 約386.4Wh |
| 停電24時間 | スマホ4台を各2回、Wi-Fiルーター24時間、LED電球2灯を8時間 | 18.4Wh × 4 × 2 + 16.2W × 24h + 7.4W × 2灯 × 8h | 約654.4Wh |
| 72時間の通信・照明中心 | スマホ4台を各2回/日、Wi-Fiルーター24時間×3日、LED電球2灯を8時間×3日 | 18.4Wh × 4 × 2 × 3 + 16.2W × 24h × 3 + 7.4W × 2灯 × 8h × 3 | 約1,963.2Wh |
他社製品も含めて容量、定格出力、重量、保証を比較する場合は、ポータブル電源おすすめ比較で公表スペックを確認してください。
容量だけで判断しない確認項目
必要Whを計算できても、それだけで機器を接続できるとは判断しません。ポータブル電源側の定格出力、出力ポート、同時使用時の上限、取扱説明書の禁止事項を確認します。
| 確認項目 | 見る場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 定格出力 | ポータブル電源のAC出力、USB出力、DC出力の仕様表 | 合計Wが上限を超えないか確認します。 |
| 出力ポート | USB-C、USB-A、ACコンセント、シガーソケット | スマホはUSB、Wi-Fi機器や照明はACが必要な場合があります。 |
| 通信設備 | ONU、ホームゲートウェイ、集合住宅設備、回線事業者側設備 | 自宅ルーターに給電できても、回線側が停止していると通信できないことがあります。 |
| 保管・使用条件 | メーカー取扱説明書、公式サポート、消費者庁などの注意喚起 | 強い衝撃後の異常、高温環境、水濡れ、屋外使用時の条件を確認します。 |
消費者庁は、ポータブル電源について、強い衝撃後に発熱や変形などの異常を感じた場合は使用を中止し、事業者の修理窓口に相談するよう案内しています。計算だけでなく、使用前の外観確認とリコール情報の確認も行ってください。
よくある質問
スマホ1回分は何Whで見ればよいですか?
公式mAhが分かる場合は「mAh × 3.7V ÷ 1,000」で概算します。Google Pixel 10の標準4,970mAhなら約18.4Whです。ただし、充電ロスがあるため実際の必要量は増えます。
変換効率を固定して計算してよいですか?
メーカー公式に効率が示されていない場合、この記事では特定の効率値を置きません。表示容量より少なくなる前提で、候補機の容量に余裕を持たせます。
容量クラス表記で選んでもよいですか?
クラス表記だけではなく、実際の公表容量Whを確認してください。この記事では288Wh、512Wh、1024Whのように、公式ページの容量値を使って計算しています。
Wi-Fiルーターだけ給電すれば停電時も通信できますか?
断定できません。ONU、ホームゲートウェイ、集合住宅設備、回線事業者側設備も関係します。必要な機器の型番と消費電力を確認し、回線側の停電時の扱いも契約先に確認してください。
参考文献
以下は本文中で根拠として使用した公式ページです。確認日は2026年7月10日です。